中指斬残、捌断ち儀
「てめえらが“死んでもたどり着けねえ場所にいんだよ、俺は”。人間辞めたてめえらと違って、俺は最初から人間でもねえんだよ、“人間でもな”。――分かるか?分かんねえよな?俺とてめえらは、圧倒的に違うんだから」
藤馬の指先が儀式最中の渉を指すなり、袈裟に撫でられる。
宙を切る仕草。
ただそれだけのことで、渉の縄が三本とも寸断された。
足場の階段に一度落ち、そこから落下する。二度のバウンドがいい衝撃にもなったか、渉は咳き込みながら呼吸をし、気を失うことはしなかった。
「誰一人として、俺を理解なんざできねえだろうよ。俺を推し量れる奴なんか、“この世にはいねえ”。どれほどの器かも、どんだけ水かさ溜まっているかだって人間(てめえら)には常識越えだろうしな」