中指斬残、捌断ち儀
抉られた右目からはどくどくと血が出るも気にしない素振りの藤馬は右手を添えるだけ。
ただ、破れてたゆんだ包帯の隙間から垣間見てしまう左目が異彩を放つ。
「泳ぐ鳥がいたら?空飛ぶ魚がいたら?推し量れるか?受け入れられるか?この世にあり得ない存在は皆一様に化け物だ。
泳ぐ鳥にいくら翼があっても、ただ水の中に入れるだけで特異点にされちまう。分類種別はいくら鳥でも、おかしいんだよ、そいつは。鳥であって鳥じゃない。常識から外れたそんな特異点――“この世にいちゃいけないんだ”」
左目が影たちを睨み付ける。仄暗い眼光、人ならざる者の眼を捉えた影が――自ら首をねじ切った。
前から順に、各々各自で自害する。
後方にいた者にとっては理解しがたい阿鼻叫喚であった。