推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「匠くん……ごめんね、私のせいで」
そばでしおらしくしているのは、姫子だ。
先ほどまで、大ファンの田中秋と再会した喜びの余韻を振りまいていた彼女は、少なからず責任を感じているようだった。
「佐伯さんのせいじゃありませんよ。この子は昔から運動神経がなくって。よく転ぶんです」
母親の真紀子が「ホントに困ったもので」と添え、手を左右に振る。
「そうそう。いつものことだから、平気だってば。お姉ちゃん」
応急処置の済んだ右足を、匠は「ほら」と上げてみせた。