愛の囁きを[短篇]
「回覧板。お前の仕事だろ。」
「…え?」
確かに。
毎回回覧板を届けいたのはこの私。
しかも壱のお母さんにではなく、何故か壱に渡すのが日課になっていた。
「なんで来ねぇんだよ。」
「そ、それは…」
気まずいからに決まってるじゃん。
会いたくないからに決まってるじゃん。
口を開くことが出来ず、
私はただ壱の足元を見つめる。
もう会わない。
そう決めたのに。
「壱、私…」
「もう、会わないとか無理だから。」
「…!」
私が考えてることが分かるの?
まさしくその言葉を言おうとした矢先、壱が先に私の言葉を奪って言ってしまった。
「ぜってぇ無理。」