★ 理想のコイビト ★
でも、今日の俺の心は限りなく黒に近いネイビー。



繭のイケメンの条件が気になって気になって、楽しいはずの放課後デートも正直上の空。



「マジゴメン、繭。」



「許さない!」



「あっ、俺のチョコのやつ、半分あげるから!ね?」



「もうっ!」



プリプリ怒る繭の口に一口大に千切ったドーナツを運んだ俺は、なんだかんだでそれを頬張る繭を見つめながらフッと口許を弛めた。


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