pierce,prince



葵はふいにあたしの額に
自分の手を当てた。


「まーお前、ぶっ倒れる
くらい熱あったしな。」


ぶっ倒れる…?


確かにあたしは倒れた
けど風邪は仮病のはず…。


「仮病が本当になったわけだ。」



『え…?』


「だって今朝のようすからすると
海が風邪引いてたなんて
んなこと誰も信じねーよ。」



んなっ…!



「だいたいこの俺が、
海のこと何年見てきてる
と思ってんだよ…?」



『5年…?』


「そうだな…今年で5年目だ。」



5年…

あたしはこの5年を
長いって思うときもあるし
短いって思うときもある。


「海…?」



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