pierce,prince



葵は手の動きを止めると
大きく息を吐き出した



「なんでわかんだよ?」



ちょっぴり苛ついたような
残念がってるような、声───‥



『…わかるよ。それくらい。』



だってこの5年、
あたしは葵のことだけを
…見てきたんだ。


葵のちょっとした癖だったり
嫌がるようなこと、
こうゆうことに喜んでくれるとか

普通のファンの子よりは
あたしのほうが知ってるはず。



『いいよ、望遠鏡なくても。
ないほうが、星を
直に感じられるでしょう?』



そんなあたしの言葉に
葵は、小さくはにかんだ。



「海、星好きだろ?」



『…うん。好き。』



「ずっと…あの夏から、ずっと…
よく夜空を眺めてる女の子だな
星が好きなんだなって思ってた」



『…? あたしそんなに葵の前で
星ばかり見てたっけ…?』



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