シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

4.次は古ぼけた集合写真。大きい洋館風の屋敷の前に小さい子供が何十人も映っている。


「……どうしました、久遠様」

「蓮。お前も記憶在るだろう。これは…山の中の各務の屋敷。そして多分これは…例の時のだ。嫌々撮らされた記憶がある。これがオレ。これが…久涅」

久遠が指差した。


どきん。


あたしの心が跳ね上がる。


そこには、久遠の目が紅紫色になる前の…純粋にあたしが恋をしていた時の姿がそこにあったから。


本当に…何も変わってないんだ…。

今と同じ、一際輝くような美貌がそこにはある。


そしてその久遠が指差したもう1つ、久涅は――

長い前髪に顔が大半隠されていて、どう見ても陰鬱な空気を漂わせており、今の姿とはかけ離れている。


久涅だと言われても信じられない。

まるで別人だ。


「ねえ…これ…」


玲くんが驚いた顔をして、最後列部を指差した。


「これ…聖と朱貴…?」


「「「「え!!!?」」」」


皆で覗き込んだ時、画面は変わってしまった。


「見間違いだよ、紫堂玲。聖と朱貴のはずないって。何で2人がこんな処にいるのさ!!」


小猿くんがけらけらと笑った。


「久遠様、この者達の記憶は…?」

「知らん。覚えているのは久涅だけだ。この後、オレは部屋に戻ってひたすら寝ていた」


「目の錯覚…か」


玲くんは、複雑な顔で呟いた。




5.最後は忙しく画像が流れ、あたしはそれが何を意味しているのか判らなかった。


判ったのは、4層になった地図やら古い昔の本の表紙、禿げたお爺さんの絵と、字が流れたことだけ。

"下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし"


何でしょ、これは。


時間が経ち画像が消えた画面には、『考え中』と書かれたプレートがくるくると回っている。


「あの地図は…まだ"約束の地(カナン)"が変形していない時のもの。待てよ…そう言えば、あの頃レグは…」


考え込んでいた久遠が呟いた。



「4層…今は、重力子によって1層と2層が逆転した状態だ。…3層は魔方陣があった層だ。それより更に下層があるのか?」


「ほ? じゃあまだ地下があるのかい?」


「ねえ久遠。さっきの古ぼけた地図、3カ所…階段マークがついてなかったか? 右片側に」


「3つ?」

そして久遠は目を細めて、両手を左右に揺らす。


「待てよ…重力子で"約束の地(カナン)"の土地はこう垂直になってその後にこうなっているはずだから…」


そして腕組みをして、


「久涅が3つ○をつけたのは…まさか4層に行き来する階段の位置とか?あっちの方じゃなかったのか?だけど何であいつが下に降りる位置を知る? あいつは、ホテル地下から3層目に渡る通路の存在も判っていた。

偶然か…?」


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