シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
記憶が戻った芹霞は…
僕のことをどう思っているだろう。
僕との"お試し"は忘れてしまっているんだろうか。
だけど――
それも覚悟の上。
せめて…同情でも、今までのように傍に居させてくれれば…いいのだけれど。
甘い、かな…。
「ねえ、玲くん……」
再び芹霞が言った。
宣告が下される。
夢見た時間は――
終わりだと。
厳しい…残酷な現実が、待っているんだ。
「あたし――」
僕はひりつく喉で、無理矢理唾を飲み込んだ。
「紫堂くんのことなんて、
全然知らないよ?」
顔を上げた僕の目に飛び込んできたのは、
「…さっき、初めて会ったんだけど?」
明らかに困惑した様子で、
こちらを振り向く芹霞の姿だった。