シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「お前は――…
口がついてないのか!!!?
必要ない口なら…」
「「「!!!?」」」
その場の…芹霞以外の身体が仰け反った。
多分…俺の偃月刀。
何故か馬鹿でかくなっている偃月刀を、見るからに重量あるそれを…芹霞は軽々と振り回し、刃先を俺に突きつけたから。
「必要ないモノなら、今此処で叩き切るッッッ!!!」
「反省しましたッッッッ!!!!!」
俺は慌てて叫んで、頭を下げた。
逆らえねえ。
絶対ムリだ。
俺の身体に、緋狭姉の恐怖が刻み込まれている限り。
身体が告げる。
"絶対服従せよ"
何で芹霞がこんなにパワーアップしちまってんだよ。
どうして俺、いつもに増してこんなに逃げ腰なんだよ。
ああ、俺…
絶対芹霞に逆らえねえ。
芹霞が偃月刀を放った音がする。
「本当に反省したの!!!?」
「本当だッッ!!!」
もう…俺は優等生のように、大きな声で復唱する。
「嘘ついてないッッ!!!?」
「ついてねえッッ!!!」
「逃げない!!?」
「逃げねえッッ!!!」
「……。香水女のトコにも!!!?」
「行かねえッッッ!!!」
つーか、香水女…?
何の話だ?