シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「ちゃんとあたしの処に帰ってくる!!?」
「帰ってくるッッ!!!」
「もう裏切らない!!?」
「裏切らねえッッッ!!!」
本能的だとは言え――
こうして自分の口から言葉を強く言い放てば、
そんな気になってくる。
やっぱ俺って単純思考。
ああ、もう…
ぐだぐだ考えるのが面倒になってきた。
「もう首刎ねない!!!?」
「刎ねねえッッ!!!」
刎ねる?
俺が?
「桜ちゃんも玲くんも、殺そうとしない!!?」
「しねえッッ!!!」
は!!?
何であいつらを!!?
「あたしも、狙わない!!? この痣あっても!!!」
「狙わねえッッ!!!」
は!!!?
血色の薔薇の痣!!?
桜も!!!?
「じゃあ、次期当主の玲くんを支えてくれる!!?」
「支えるッッ!!!」
次期当主…玲!!?
櫂はどうしたんだよ!!?
「本当にあたし達の処に戻る!!?」
「戻るッッ!!!」
何だ…おい。
俺のいない間に、何がどうなってるんだ?
馬鹿な俺の頭はさっぱりだけど。
「帰るのが――
遅いのよ、馬鹿犬ッッッ!!!」
芹霞が俺に抱きついてきて、おいおいと泣き出した。
――俺の首を絞めながら。