シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「煌、あたしがいいって言ってるんだから、あたしが帰って来いって言ってるんだから。

あんたは、戻ってくればいいのッッ!!!」



思い切り、凄え力で絞めるから。



「ぐえええええ!!!」



俺は――

蛙みてえな変な声を出してしまった。



「煌。例え神様があんたを許さなくても、あたし達は…あたしは、あんたを許してる。

それでももし、あんたがそれに納得いかないというのなら。どうしてもその罪を贖いたいというのなら」


芹霞は続けた。




「"生涯かけて私に仕えよ。

――裏切りは許さない"」



それはあまりに妖艶な眼差しで。


黒い瞳が妖しげに揺らめいて。


俺は…縛られて。

縛られる自分に、自己陶酔し始めて。


縛られたい。

罪という名の…真紅の鎖に。


そう思ってしまった。


そして、



"生涯かけて私に仕えよ。

――裏切りは許さない"



それは俺にとって――



「って多分お姉ちゃんなら…「俺、お前と結婚出来るのか!!?」


求婚(プロポーズ)の言葉に思えて。



そして俺は――



「いいわけないだろッッ!!」



突然現われた玲から鳩尾に手刀を食らい、



「調子に乗るなッッッ!!!」」



桜から、首筋に回し蹴りを食らった。
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