シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「黄色い蝶は何故目を抉っているのか判るか?」
「黄色い外套男が言うには…夢の国への"通行料"だとか」
「"通行料"…喋ってるのかその男」
そういえば――
「へ? ああ、最初だけは…話していたらしいな、神崎が曰く」
それ以降の黄色い外套男は、一切何も口にしていない。
榊という"男"が狙われ、言葉を発した外套男。
考えてみれば――
初回だけが、異質なんだ。
どういうことだ?
「せりが、何でそんなこと?」
「コトの発端は、神崎が黄色い蝶…基(もとい)、黄色い男に狙われたんだ。そして13日以内に命が狙われると宣言されて…」
そうだ。
発端はそこから始まった。
初回の外套男は、芹霞しか見ていない。
あいつは――
"同一かどうか"感じ取れる力はない。
もしも。
もしも…。
初回とそれ以降の…黄色い外套男が違うとしたら?
そこに…どんな意味がある?
何が変わる?
何が見えてくる?
もしも俺達が考えていることが全て間違いで。
"真逆"な意味合いを持っていたとしたら?
その先に見えるのは――