シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
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目の前に聳え立つのは、全面硝子張りの円筒状のビル。


『APEX』


そう、立体状のぴかぴかと磨かれたアルファベットがアーチ状の入口上方に掲げられている。


一体此処は、何のビルなんだろう。


最近池袋に縁続きらしいあたしだけど、繁華街から少し離れた…通称『スイーツロード』沿いに聳え立つこのビルが何なのか、全く判らない。


多分最近出来たビルなんだろう、夕闇でもピカピカ光っている。


若いカップルも凄く出入りしているということは、有名な場所なんだろうか。



「此処、何のビル?」


「最近出来た…一応池袋名所の1つだよ? 1階から6階までが若い子に人気の有名テナントばかりのはず。で上階3階が…テレビ局と事務所になっているんだ。今はゲーム大会とか開催しているけど、APEXは…前身はアニメ会社でね、マイナーなアニメを流して…」


ん?

聞いたことある、それ。


アニメ。

アニメ。


ああ、あのアニメオタクの馬鹿ップル。
…ゆんゆん推進協議員の言葉じゃなかったろうか。


彼らは…。


………。


目の前で起きた惨劇を極力思い出さないようにして、玲くんに聞いてみる。


「APEXって…ゆんゆんの?」


聞くと、玲くんが顔を歪めて一歩退いた。


「ゆ、ゆんゆん!! 君…知ってるの、ゆんゆん!!!」


何でそんなに驚くんだろう。


というより、あたしの方があんなマイナーアニメを知っている玲くんにびっくりだ。


玲くんの守備範囲は広すぎる。

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