シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

「ああ、生中継で編集が可能なのかって言いたいんだろ? 普通は無理だ。だけど相手は師匠だ。頭も力もあるんだ。師匠が何かやらかしたな」


玲が?


「久涅も言ってたよな、"宣戦布告"だって。神崎が出ている画面を見て、即座に師匠の仕業だと彼は言った。

久涅はきっと事情を知っている。

だとしたら師匠の宣戦布告は…久涅か?」


宣戦布告…?


「だけど…それにしては久涅、他人事のような反応だったな。だったら、師匠は誰に向けてたんだ?

というより、神崎のウェディング姿を出すことが、何で宣戦布告になるんだ? 半分以上師匠の興味や趣味が混ざっても…師匠の気性なら、絶対全国放映なんてさせやしない。永久保存媒体取り込んで、何度も何度も高画質で1人楽しむよ、きっと。突然そういう自分だけの世界に行っちゃうトコ、典型的なオタ…って、これ内緒。

じゃあ、わざわざ全国放映させて、ああいう編集をしたのは何故? 本当に神崎と結婚するような編集が何で"宣戦布告"?」


「紫堂玲、誰かと結婚するんじゃないの?」


それを言ったのは、司狼で。


「だから、したくないと…お姉さん出したんじゃないの?」


玲が結婚!!?

何でだ!!?


「したくない結婚…それは"させられる"結婚ともいえるだろうね」


まさか…親父が?

"次期当主"だからか!!?


「それだよ、きっと!!!

神崎に婚約者のふりをしてもらったんだよ。

"先手必勝"、相手も此処まで大々的にやられれば、婚姻話を考えざるをえない。だけど…策士の師匠にしては、何だか苦し紛れな策な気もするけど」


だとしたら――


「まだ望みあるんじゃないの、紫堂櫂」

「かいくん、望みあるある~。きゃははははは!!!」


まだ、未来に希望を持ってもいいのか?


――紫堂櫂を愛してる!!!


芹霞と玲との空気は…演技故のものだと、俺は信じていいのか?


俺は…手首の布を握り締める。


いいのか?

いいのだろうか?




< 599 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop