シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「ああ、生中継で編集が可能なのかって言いたいんだろ? 普通は無理だ。だけど相手は師匠だ。頭も力もあるんだ。師匠が何かやらかしたな」
玲が?
「久涅も言ってたよな、"宣戦布告"だって。神崎が出ている画面を見て、即座に師匠の仕業だと彼は言った。
久涅はきっと事情を知っている。
だとしたら師匠の宣戦布告は…久涅か?」
宣戦布告…?
「だけど…それにしては久涅、他人事のような反応だったな。だったら、師匠は誰に向けてたんだ?
というより、神崎のウェディング姿を出すことが、何で宣戦布告になるんだ? 半分以上師匠の興味や趣味が混ざっても…師匠の気性なら、絶対全国放映なんてさせやしない。永久保存媒体取り込んで、何度も何度も高画質で1人楽しむよ、きっと。突然そういう自分だけの世界に行っちゃうトコ、典型的なオタ…って、これ内緒。
じゃあ、わざわざ全国放映させて、ああいう編集をしたのは何故? 本当に神崎と結婚するような編集が何で"宣戦布告"?」
「紫堂玲、誰かと結婚するんじゃないの?」
それを言ったのは、司狼で。
「だから、したくないと…お姉さん出したんじゃないの?」
玲が結婚!!?
何でだ!!?
「したくない結婚…それは"させられる"結婚ともいえるだろうね」
まさか…親父が?
"次期当主"だからか!!?
「それだよ、きっと!!!
神崎に婚約者のふりをしてもらったんだよ。
"先手必勝"、相手も此処まで大々的にやられれば、婚姻話を考えざるをえない。だけど…策士の師匠にしては、何だか苦し紛れな策な気もするけど」
だとしたら――
「まだ望みあるんじゃないの、紫堂櫂」
「かいくん、望みあるある~。きゃははははは!!!」
まだ、未来に希望を持ってもいいのか?
――紫堂櫂を愛してる!!!
芹霞と玲との空気は…演技故のものだと、俺は信じていいのか?
俺は…手首の布を握り締める。
いいのか?
いいのだろうか?