シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「紫堂に説教なんて…前も"約束の地(カナン)"だったね」
感慨深げに遠坂が言った。
そうだ、あれは…
芹霞に想いがうまく伝わらなかった時。
押し付けがましいと、遠坂に言われた。
「ボクの意見なんて、君みたいな男にとってみれば塵のようなものだけれど、ボクさ…そんなボクの意見を聞いてくれる君も、君の仲間も…神崎姉妹も皆大好きなんだ。操られていたとはいえ、ボクは裏切っていたのに…責めずに信用してくれてる君達に本当に感謝している。
敵同士の最悪な出会いだったけれど、出会えたことは純粋に嬉しい。
ボクはこんなだし、周りから理解されずにずっと1人で居たからね…」
微かに瞳が涙で煌いて。
「ボクは君が大の苦手だけれど、嫌いでは決してない。前ほどの苦手意識もなくなったし。ボクは師匠の弟子だけれど、やはり敬愛する師匠の影響もあり…君には頑張って貰いたいんだ。
君は1人じゃない。君達はいつだって1つに結ばれている。君の行動1つで皆の行動に影響出るし、その反対も然り。"たかが"恋愛で、絆を断ち切るな。
だから…何度も言うけれど、今此処は耐えろ。情報掴んで回復さえすれば、君は思う存分動き回れるから。
まずはこの中継を乗り切れ。ボクは全面的にサポートする」
俺は…頷いた。
「2ヶ月前、ボクは神崎の結婚中継を書き換えたけれど、あれは師匠のサポートがあった上に、生中継ではなくVTRだったから可能だったんだ。
今師匠もいなければ生中継。ボクには師匠みたいなリアルタイムなコード変換にての書き換えは出来ないから、君を隠すことは出来ない」
俺が出るのは…本決まりなのか?
「なあ、紫堂。久涅は…何かしでかそうとしているように思えないか?
俺は同意して頷いた。