シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
「記憶までも…すり替えか」


玲くんは険しい顔をした。


「黒い塔から出ている似非電波の"虚数"は…テレビ周波数を乗っ取るとか、何かを爆発させるとかいう働き以外に、もっと別の…それ以外の波及があるんだろうか…」


「でもあたし達、記憶はばっちりあるよ?」


「ん…。意味があるのかな、それも…」


「あ、それから。KANANでの記者会見のことも聞いてきたぞ。そしたら…」


――TXには、連絡来てないんですよ。紫堂から。


「また、TXだけ除かれているのか…」


玲くんは弁当を置いて腕組をした。


――噂は聞いてますよ、7時から重大会見だとか。きっと他局全て生中継に切り換えるはずですね…。ま、ウチは独自路線がウリ。KANANに呼ばれていたとしても、その記者会見を流すことはないでしょうから。だから呼ばなかったんじゃないですか?


記者会見は久涅が画策したんだっけ。

久遠は…了解してるんだろうか。


「今何時?」


あたしが聞くと、


「今、6時30分ちょい前」


クマ男が答えてくれた。


「それから、6時過ぎから…TXはおかしな放送を流してるらしい」


「おかしな?」


「ああ。上からの指示で、青い人間が置いていったものを流す気だ」


青い人間…。

そう形容できるのは、多分蒼生ちゃんしかいない。


一体彼は何を…。


「"恐怖!! 天使少女の黒魔術。
~殺戮魔方陣が貴方を食らう~"

っていう、マイナーなホラーを…」


――!!!!!!!


「やだやだやだやだ!!!」


あたしは思い切り、狂ったようにと頭を横に振った。


「マイナーだろうがメジャーだろうが!!!

タイトル聞くからにオドロオドロしいホラーは嫌い!!!」


「がはははは!! 嬢ちゃん、これはスプラッター要素もあって、カリバニズム…所謂人肉食だ。ちょうどその焼肉弁当みたいに…」


「聞きたくない、聞きたくない!!!

クマクマ、肉上げる!!! 

あたし食べれない!!!」


「おうそうか。じゃあ頂きます」


クマは強し!!!

あんな話題の後で。


「言ってみるもんだな、俺1つじゃ腹空いて…」


肉を食べる為に、

あたしをからかったのかい!!!


「人肉は本当だ。

ん…この肉は旨いな」


あたしは、聞いていないフリをした。
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