シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

白濁した蛆。

黄濁した蚕。

音と映像が混濁したスクリーン。


宙に飛ぶのは、蛆を吐く人型の頭。


真紅色の飛沫が色を塗り替える。


延々と繰り返される瘴気の再生劇。


かつて。

此の地は、様々な罪と穢れが蔓延していた。


意思故に"生"の奇跡を勝ち取った者達を、穢れて滅ぶのは免れぬ運命だとは嘲笑えない。

もがいて足掻いて。

そして此の地で生きることを選択した奴らを見捨ててはおけない。



――瘴気が大量発生しすぎだ。このままだと増殖の速度が早まり、武器の祓いが追いつかない。だから大規模な浄化の布陣術を執り行う。


――まずは蛆に塗れすぎた此の地を清めねばならない。蓮、鏡の力で浄化しろ。俺の術はそれが終えてからだ。


――それまでは、武器で瘴気を斬る。少しでも多く。


視界では、久遠の鎌が縦横自在に動いている。


それはまるで久遠の気質のように、自由気儘に…伸びやかに激しく。


恐れることなく、怯むことなく…

ああ、久遠もまた、闘い続けてきた男だ。


奏でられる戦いの節奏(リズム)。


互いの音色を感じ取り…


「何じろじろ見てるんだよ!! お前外見だけではなく、中身まで狂ったのかよ!!? オレは相手しないからな!!!」


………。


相手の音色に合わせて、更なる律動を…



「出しゃばるな!!! 目立つ動きは正体がばれる危険性があることくらい判らないのか!!! 人のことより自分のことをやれ!!!」


………。


自らの音色を…



「たかが剣を扱えたくらいでいい気になるな!!! それくらい誰でも出来る!!」


………。


ぶちっ。



お前は――


「何だよ、いいたいことがあるなら口で言えよ!!! 

――言えるモノなら」



口喧しい母親(オカン)か!!!

< 876 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop