白緑蝶"vacances【続2】
「心配なんてないよ
 
 エッチなんて愛情表現
 のひとつ
 
 ほんの一部でしょう

 それだけが全てじゃない

 私達は猿じゃない、人間
 
 言葉が話せるんだもん
 もっと深い部分で繋がり
 合いたいわ」

愛を知った百枝の言葉は
薄っぺらなものではなく
とっても重たい。

「今の言葉、今度の本に
 使わせてもらおうかなぁ?」

そこへ現れたのは、ソラ。

「何、女だけで集まって
 何の話?」

「サキの小説の話だよ」

「ふうん」

「サキ、今、新しい小説
 書いてるんだってね
 
 絵本は、いいの?」

咲は妊娠中から絵本作家と
なり子供達に読み聞かせる
物語を書く仕事をしていた。

「うん、絵本も続けていく
 つもりだけど、やっぱり
 出産も子育ても一段落
 ついた今、無性に小説
 が書きたくなってね
 ・・・」

「次は
 どんな感じの本なの?」

咲は、口元を緩めて何かを
企んでいるように微笑んだ。
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