片翼の天使たち~fastlove~
「ねぇ…乗らないの?」
「俺は、んなガキじゃねぇんだよ!」
私が話しかけると、ハッと我に返ったみたい。
慌てて私から視線を逸らす。
もしかして……
「遥翔って、絶叫系ダメな人?」
「バッ!!んな訳ねーだろ、ボケ!!」
___ゴンッ!!
「イッタ!!叩かなくたっていいじゃんかぁ!!」
「サクラが変なこと言うからだろ」
涙目で遥翔を見上げる。
強がっているであろう、その横顔に
思わず笑ってしまう。
「テメー…。次笑ったら怒るからな」
「もぉ怒ってんじゃん。ってゆか、遥翔が絶叫系ダメとか……プッ!!」
「アッタマ来た!!サクラお前、俺様怒らすとどうなるか覚えとけよ!!!」
周りに赤い炎と殺気を纏った遥翔がニタリと笑う。
背筋に冷たい汗が流れた。
…イヤーな予感。
「絶叫系だろうがなんでも来いよ!!!!」
「キャー!遥翔!!落ち着いてぇ!!」
遥翔は私の手を強く引き、ジェットコースターの列に並ぶ。
後ろでは、呑気すぎる透くんたちの声が遠くに聞こえた。
「あーぁ、やちゃったね、桜羅ちゃん」
「遥翔がブチぎれたら手におえねぇよなぁ」
「…桜羅が悪い」
みんなのバァカ!!
先に教えてくれたっていいじゃんかぁ!!!
「助けてぇ~…」
「「「お気の毒に」」」
「そんなぁ…」