ショコラ~愛することが出来ない女~

とはいえ、私はそんなに夢見がちでもない。
頭の片隅では現実をちゃんと計算してた。

隆二くんは仕事が安定してない。
貯金だってそんなにないだろう。

暮らしは楽じゃない。

多分、シングルマザーをやるより大変。
私が家庭を支えていくくらいの心構えで居ないと。

やれる?
やれない?

こういう選択肢を自分で自分に突きつけると、負けず嫌いの心が奮闘してくれる。

やれない訳がない。

私はもう母親で、この子を守る義務があるし。
何より、一番愛してる人と結婚するんだから。

私たちは結婚の意思を固め、すぐその為に動きだした。

互いの両親は苦い顔をしたけれど、結局は赤ん坊の存在があるから、納得せざるを得ないのだろう。

私はこっそりお腹を撫でて、心の中で呟いてた。

アンタ、生まれる前から役に立ってるじゃない、って。

< 22 / 292 >

この作品をシェア

pagetop