ショコラ~愛することが出来ない女~
その内に、私を覆う全てのものが彼によって取り払われる。
そして彼はいつもの順序で私の体をまさぐり始める。
だけど、感情をぶつけるような愛撫には心は反応しない。
触れられれば触れられるほど、体がこわばっていく。
「康子さん」
「やめてっ……ねぇ、やっ」
「なんでだよ!」
ぎゅっとつぶっていた目を開けると、眩しいほどの蛍光灯の光がまず見えた。
その光は、悲しそうに顔を歪ませる庄司くんを照らしている。
こんなに乱暴に私を押さえつけているのに、まるで傷ついているのは自分だというように。
なんて滑稽なんだろう。
そう思ってその姿を見ていたら、力が抜けてきた。
確かに傷ついているのだろう。
私が傷つけたんだ。
簡単にほだされて、安易に結婚を了承して、そして簡単にもうだめだと結論付ける。
彼を振り回したのは確かに私だ。
「……康子さん?」
急に大人しくなった私に、彼は不審な声を出す。
「いいわよ。それで気が済むのなら好きにするといいわ」
「……っ」