ショコラ~愛することが出来ない女~
そのままゆっくり目を閉じる。
なんてことない。
ずっとこんなふうに体の関係を続けてきたんだもの。
そう思うのに彼の唇が胸元に触れた時、体はビクリと震えた。
だけど仕方がない。
こうなったのは全て自分のせいだ。
ぎゅっと力を入れて目を閉じる。
犯されていくような感覚が嫌で、何か別のことをと必死に考えようとした。
だけど思いつくはずもなく、思いとは裏腹に彼の動作の一つ一つに神経が向いてしまう。
そのうち、谷間を這っていた唇の動きが止まり、何かの液体が落ちて伝っていく。
「……っく、……っ」
「……庄司くん」
胸に顔をうずめながら、彼は小さく震えて泣いていた。
未だ手は抑えられていて、私は身動きすることができず、彼を眺めることしかできない。
やがてゆっくりと顔を上げた彼は、涙に濡れた瞳を隠すこともせず、私の肩のあたりに再び顔を埋めた。
「あなたはそうやって、俺を子供扱いするんだ」
「子供だなんて思ってないわ」
「思ってる。明らかに俺のほうが間違ってるのに、なんで許すんだ」
「それは……」
自分が悪かったと思ってるから。
でもそれさえも彼を傷つける一因になってしまっていたのか。