ショコラ~愛することが出来ない女~

 ビルの一階まで下りて、タクシーを捕まえる。
行き先の説明は庄司くんに任せて、私は疲れた体を背もたれに預けた。

流石に、最近は無理が利かなくなってきた。
歳には敵わないっていうのは本当よね。

やる気も勢いもあるのに、時々体が失速してしまう。

ほんの一瞬気を抜いて目をつぶっただけなのに、あっさりの眠りの世界へ引き込まれた。

揺れる車内は適度に暖かく、誰かに抱きしめられてるみたいな安心感。
温かくて気持ちいい。


「……さん、着きましたよ」

「んん」


肩を揺すられて意識が浮上する。
私に触れる大きな手は庄司くんのものだ。

どうやら彼の肩にすっかり寄りかかってしまっていたらしい。


「あ、ごめん」

「いいえ。いい香りがしました」

「庄司くん、変態くさい」


にこにこ笑う庄司くんに、森宮ちゃんがぐさりと一言。
その後睨みあい。

面白いわね、この二人。

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