ショコラ~愛することが出来ない女~

呆けた頭のまま車を降りると、そこは鍋の専門店だった。

昔はグルメ雑誌を担当した事もあるから、結構飲食店は知ってるつもりだったけど、ここは初めて来る。


「へぇ。鍋か。あんまり食べないなぁ」

「体に良いのでおススメですよ。
桂木さんって、洋食とか食べるイメージです。おしゃれっぽいの。
たまには消化いいもの食べた方が良いですよ」

「そうね」


先を行くように庄司くんが入って行ったので、森宮ちゃんの背中を押す。


「康子さん、先入ってください」

「良いわよ。若いもんが先に行きなさい。年寄りは後でいいのよ」

「よく言うー。私が年寄り扱いしたら絶対怒りそうじゃないですか!」

「自分で言う分にはいいのよ。人に言われたら怒るの当たり前でしょ?」


二人できゃあきゃあ話しながら、結局森宮ちゃんを先に行かせた。

庄司くんは店員さんとお知り合いらしく、楽しそうに談笑している。
私たちに気付いて、手招きをした。


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