錬金爆発-アルケミ・エクスプロージョン-
先に裏に到着した黒ローグは、駐車場にある黒い車が目についた。
「!」
そうか、あれを──すぐに詠唱を始める。
「貴様! 何をするつもりだ!」
なだれ込むように他の一同も裏手に駆け込んで、マイクが声を上げた。
詠唱が終わったと同時に──車の下から勢いよく石の壁がせり出し、車は大きく跳ね上がる。
「うひょ~」
高く上がった車にチャラが口の端を吊り上げた。
飛んだものは落ちるのが自然の摂理──車は、ガッシャアーン! という激しい音と共に、窓ガラスや部品を散りばめてコンクリートに叩きつけられた。
そして中にあった魔力が爆発を引き起こし、オレンジと青い炎が暗闇の中で煙を噴きながら立ち上(のぼ)る。