錬金爆発-アルケミ・エクスプロージョン-

 そう、やる事は決まっている──呪文を唱えながら走り、車が見えた瞬間に魔法を放つ。

 黒い乗用車の下から石の壁が勢いよくせり上がり、車は大きく飛んだ。

「よし!」

 激しい音を響かせて地面に激突する車を見たローグは、笑みを浮かべてガッツポーズした。

 マイクもイワンも、破壊された車を呆然と見やる。

「ここで爆発!」

 バッ! と両手を車に示すと、車は大きな音と炎と煙を上げた。

「いやっほーう!」

 これで誰かが通報するだろう、それまで逃げ切ればいい。
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