錬金爆発-アルケミ・エクスプロージョン-
「!」

 今度は道路の方から車のライトとは違う光が差し、マイクは再び立ち上がった。

 よし今だ──!

 ローグは、持っていた針金で手錠を外し立ち上がって男の横をかすめ入り口に向かって走る。

「!? おいまて!」

 ローグは、走る前に掴んでいたヒモを引っ張った。

「ぶわっ!?」

 上から白い粉が降り注ぎ、マイクの視界を遮ると同時に呼吸も困難にする。

「げほっ、ごほっ! ま、まて……っ」

 待てと言われて待つ馬鹿はいない。

 ローグは全速力で外に駆け出し、裏に回った。
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