愛の花ひらり
「社長、そろそろ……」
「ああ、もうそんな時間か」
敦が椅子から立ち上がり、背凭れに掛けてあったスーツの上着をパサッと身に着けた。
先程まで要が見ていた男はどこへやら――高級そうな上下セットのスーツを身に纏った敦の姿はまさしく社長、そのものでった。
優子は敦に下に車を用意してある事を伝えた後、要に向かって数枚の紙を挟んであるファイルを手渡してきた。
「……何ですか、これ?」
そのファイルの表紙には『スケジュールとその他』と簡単に書かれている。
「社長の一週間分の既に決定しているスケジュールですわ。今日はそれを見ながらどういう風にスケジュールを立てていくのか、把握できるところまでしておいて下さい」
つまりは、今日のところはデスクワークをしろという事なのだろうが、『スケジュール』の文字の後の『その他』という文字が気になった要が優子に問い掛けた。
「あの……この余分な『その他』って……?」
何やら嫌な予感がする――
要はそう感じて、全身を一振るいさせる。
「それも社長秘書としては必要な仕事ですわ。よくお読みになっていて下さい。そちらの『その他』の方の仕事は、明日からして頂きますので、質問があればここに残っていて下さい。帰ってからお受けしますね」
と、優子は微笑みながらも内容は何も言わずに敦と共に社長室を後にして行ったのだが――。
何やら嫌な予感がしたのは間違いがなかったようだ。
社長室を出る時に、敦が要の方にちらりと視線を向けてきたのだが――いや、顔を向けてきたと言っても良い。
彼の表情には、要がゾッとする程の不気味な笑みが浮かんでいたのであった――。
「ああ、もうそんな時間か」
敦が椅子から立ち上がり、背凭れに掛けてあったスーツの上着をパサッと身に着けた。
先程まで要が見ていた男はどこへやら――高級そうな上下セットのスーツを身に纏った敦の姿はまさしく社長、そのものでった。
優子は敦に下に車を用意してある事を伝えた後、要に向かって数枚の紙を挟んであるファイルを手渡してきた。
「……何ですか、これ?」
そのファイルの表紙には『スケジュールとその他』と簡単に書かれている。
「社長の一週間分の既に決定しているスケジュールですわ。今日はそれを見ながらどういう風にスケジュールを立てていくのか、把握できるところまでしておいて下さい」
つまりは、今日のところはデスクワークをしろという事なのだろうが、『スケジュール』の文字の後の『その他』という文字が気になった要が優子に問い掛けた。
「あの……この余分な『その他』って……?」
何やら嫌な予感がする――
要はそう感じて、全身を一振るいさせる。
「それも社長秘書としては必要な仕事ですわ。よくお読みになっていて下さい。そちらの『その他』の方の仕事は、明日からして頂きますので、質問があればここに残っていて下さい。帰ってからお受けしますね」
と、優子は微笑みながらも内容は何も言わずに敦と共に社長室を後にして行ったのだが――。
何やら嫌な予感がしたのは間違いがなかったようだ。
社長室を出る時に、敦が要の方にちらりと視線を向けてきたのだが――いや、顔を向けてきたと言っても良い。
彼の表情には、要がゾッとする程の不気味な笑みが浮かんでいたのであった――。