咲き舞う華は刻に散る


「雨は嫌ですね…。やりにくいし」



沖田は降りしきる雨を憎たらしそうに見ている。



しかし、土方は彼とは対照的に笑みを浮かべていた。



今夜の天気は暗殺には持って来いだからだ。



水溜まりに気をつければ、雨が物音を掻き消してくれるだろう。



「何で笑ってんだ、土方さん?」



「いや、何でもねぇよ…」



土方の返答に質問をした原田は訳が分からんと肩を上げた。



そんな彼らの様子を芹沢は酒を呑みながら、静かに見ていた。



彼らを見つめる芹沢の目はこれからの事を見透かしているかのようにだった――。






< 156 / 615 >

この作品をシェア

pagetop