咲き舞う華は刻に散る
それから、しばらく走ると、屯所が見えてきた。
すると、美桜里は屯所の門の下に人影を見つけた。
「お…梅…?」
そこに立っていたのは芹沢の妾、梅だった。
何故、彼女がこんな所に居るのかと美桜里は疑問に思った。
「美桜里はん…、お願いどす。芹沢はんを殺さんといてください」
梅は深く頭を下げた。
どうやら、彼女は勘が良いらしく、芹沢の暗殺に気付いていたようだ。
美桜里は梅の行動に顔をしかめた。