咲き舞う華は刻に散る
そして、彼の読み通り、美桜里は沖田の看病をしっかりこなしている。
「それにしても、顔色が悪いな…」
沖田の顔は青白く、汗をかいていた。
美桜里は持っていた手ぬぐいで彼の汗を拭い、空気を入れ替えようと障子を少し開けた。
室内に涼しい風が流れ込んで来る。
月が雲で隠れているにも関わらず、外は妙に明るい。
美桜里は縁側に腰掛けると、袂から笛を取り出した。
~♪~♪~♪~
心が安らぐような音色が辺りに響く。
そんな音色を耳にし、沖田は目を覚ました。
「(綺麗な音色だ…)」
沖田は彼女に気付かれないように、その音色に耳を傾けていた。