【完】最初で最後の恋

嫉妬

side佳織


目が覚めた。
体が軽い。もう、治ったのかな?
ふと、手がなにかに包まれているのを気付いた。
「えっ!?」
つい、声が漏れた。
だって、矢吹くんの手が…!
しかも矢吹くんも一緒に寝てる…ってことは、ずっといたってこと!!??
「ん…、あ、佳織さん!体調どうっすか?」
「え、あ、もう大丈夫みたい…。え、あの…もしかして、ずっといてくれたの?」
「いつの間にか、俺も寝ちゃってて!」
嘘だ。これは、優しい嘘だ。
「あの、矢吹くん…。私さ、昨日…変なこととか言わなかった?」
「ん〜〜〜、内緒です」
「えぇ!?//」
内緒って、余計気になる…。
「よく、寝れましたか?」
「うん!」
それは…
あなたの優しい手に、包まれていたからなのかな。
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