それでも君を
結局11時手前くらいまでかかってしまった。それでもナオは嫌な顔一つせずに付き合ってくれた。
今度ご飯ごちそうするねと言うと楽しみと笑っておやすみと付け加えた。
タクシーを拾って乗り込むと一気に心細くなった。
明日、本当きちんと言えるのかな。
そんなこと言って後悔しないのかな。
どんどん悪い方へ考えてしまう。
頬を軽くぱちんと叩いて喝を入れる。
ダメダメ、いつかは終わりがくるんだ。
それが遅いか早いかの違いなだけ。
それにナオとも約束したし、しっかりしなくちゃ。
そんなことを考えているといつの間にか眠ってしまった。
その間に夢をみた。
いまより少し若い私とヤスくん。
二人掛けのソファで仲良さそうに座っている。