それでも君を
インターホンが鳴ってドアを開けるとスエット姿のナオが立っていた。
「なんでスエットなの。」
「急いで来てんもん!もっと時間かかると思ってたしさー。で、ユリちゃん大丈夫なん?なんもされてない?」
なにそれと笑い中に入るように促した。
ナオの顔を見てホッとしたのは内緒にしとこう。
いつもの位置に座ると隣にナオが来た。
「ちゃんと言えたん?」
優しい顔でナオが覗き込んできた。
「――うん、言えた。ちゃんとバイバイしてきた。」
ちょっと一方的になっちゃったかもだけどと付け加えるとナオがいつもみたいに私の頭に手をのせた。それからよく頑張ったなと言ってくれた。
それを合図に一気に感情がほぐれて涙が出てきた。
「――ユリちゃん、いっぱい泣いてええで。よく頑張ったな。」
ナオが言葉を発すれば発するほど涙はどんどん溢れていった。
「ナオ私ね、本当に好きだったの。
本当に本当に大好きでなんでサキ先輩のものなんだろうって‥なんで私を選んでくれないんだろうってずっと思ってた。
そんな汚いことばっかり、思ってたの。」
「うん。」
「壊れちゃえばいいのにって。
ヤスくんがロンドン行くときもこのまますれ違うんじゃないかなって少し期待してた。」
「うん。」