それでも君を
それから半年が経った。
ナオとも相変わらずの距離感で楽しくやっている。キスもしてないしもちろん抱かれてもない。あれから好きとも言って来ないしなんかちょっともどかしい。
私から言っちゃえばはやいんだけどなんかいろいろ考えてるとタイミングをつい逃してしまう。
ひとつ変わったことと言えば、高橋先輩とサキ先輩の間に子供が出来たこと。
まだ生まれてはないけど幸せなんだなと少し安心した。
もう胸が痛むこともないし彼を思い出すこともなくなった。
なかったことには出来ないけど、彼のおかげでいまの私があるのだから少しは感謝するべきかな。
「ユリちゃん!」
トイレから出るとナオとばったり会った。
「ナオ、どうしたの?」
「今日夜ご飯行けへん?」
おいしそうなご飯屋見つけてなーとはしゃぐ彼を見てかわいいななんて思う私は結構彼にどっぷり浸かっているのかもしれない。
「ねぇナオ。」
ん?と言うナオに今日は私が作るからうち来ない?と誘ってみた。
「え!いいん?
ていうかユリちゃん料理出来んの?」
「出来るよ!失礼だなー。
まあ確かにそんなにうまくはないけど。」
ちょっとふて腐れてみるとナオが楽しみにしてるなと頭に手をのせた。
じゃあとトイレに入っていこうとするナオの手を引っ張り引き止めた。
そして少し背伸びをしてナオの耳元で泊まって行ってもいいけどと囁いた。
ナオの驚いてるマヌケ面に笑いながらまたあとでとオフィスまで戻った。
仕事をしていると篠田さん内線3番ですと聞こえたからはーいと返事をし、電話をとった。
《ユリちゃん大好き》
慌ててナオの方をみるとナオがニヤニヤしていた。それから私もと返し電話を切った。
それからエレベーター前に7時待ち合わせ。俺の車で帰ろとメールがきたから了解と返事をうった。