タイムリミット
「それで、なんかつれてきたら勝手にお前の友人と間違えられてさ…」

…はッ!!?

その瞬間思いっきり相手のほうを向いた

髪が触れる


この人の髪は、真っ黒だ

漆黒の髪…かぁ

この漆黒の髪にはなんだか人を惹きつける魅力がある。
見ていたい。

そう思わせるほど、綺麗だった

まるで、悪魔。

「間違えられて?」

あ、やっといつもの声だ。

そんなことでホッとする自分がいた
変だよね

自分の声なのに



「その…事故とか、今の現状とか説明…させられた」


ズキン

堕ちていくような、感覚


まさか、あの事故も

走れないことも


命の…長さも


こんな悪魔に、知られるだなんて。




そこに広がるのは

真っ白な無の世界じゃなくて

真っ黒な闇の世界だった。


なんで、こんなに不幸が続くの?
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