Kissしてダーリン[短篇]
「確か楢橋さん。どうしたの?宮野先生に質問?」
ニッコリ笑いかける中村先生。
…なんか嫌。
顔は笑ってるけど、言葉にトゲがあるような気がしたから。
なんであなたがいるの?そんな意味に聞こえた。
ぎゅっと制服の裾を握る。
「俺が呼んだんですよ。」
「あら、そうなの」
敦が口を開いた瞬間、私なんかもう見えてないみたいに私背中を向ける。
「…楢橋、教室もどれ」
楢橋…
そう呼ばれたことに胸がズキンとした。
「…はい。」
敦に言われた通り、社会科教室をあとにする。
「宮野先生、明日…」
「はい。分かりました。」
二人の会話に奥歯を噛み締め、
ドアを閉めた。