Kissしてダーリン[短篇]
てくてく敦の家を目指す。
「遠いな…」
学校から結構距離がある。
それでも毎日敦の家に向う。
そうすれば、敦に会えるから。
独り占めできるから。
そう思うと遠い道のりも楽々と歩けた。
ブーン
後ろから聞こえるエンジン音。
…敦?
いつも助手席に乗せてもらっているせいか、敦の車のエンジン音が分かるようになってきた。
暗い道路を明るいライトが照らす。
そして車が私の横で止まった。
「真央?」
窓から顔を出したのはやっぱり敦だった。