Kissしてダーリン[短篇]
スーツのネクタイをゆるめ、タバコと吸いながら愛しい人が顔を出す。
「…敦!」
「まだこんなところにいたわけ?…乗って。」
嬉しくて声を張り上げたのに、返ってきたのは冷たい言葉と、冷ややかな眼差し。
なんで…?
少しでも早く貴方と会えて嬉しいのは私だけ?少しでも早く会いたいと思ってるのは…私だけ?
冷ややかな目に何も言えなくなった私は大人しく車に乗り込む。…助手席なんかじゃなくて、後ろの広い席に。
「チッ…」
かすかに聞こえたのは舌打ち?
敦のイライラが伝わってくる。
どうして怒ってるの?