Kissしてダーリン[短篇]
敦の家までの道のり、私達を静かな空気が包む。…そう、悪く言えば無言。どちらも口を開こうとしなかった。
「ん。」
「……」
ドアを開けられ、腕を掴まれる。
きつく、痕がつきそうなくらい強く。
エレベーターで4階へ。
いつもならウキウキで胸が躍るはずなのに、今日は逆にソワソワする。
ガチャ…
ドアが開かれ、中へ押し込まれる。
「ちょ、待って…」
「うっさい。」
グイグイ背中を押され、玄関からリビングへ。
敦は私の言葉に耳を貸そうとしなかった。
いつものリビングに足を足を踏み入れる、と同時に勢い良く肩をつかまれた。
「うわっ…」
ぎゅっと敦に抱きしめられる形。
……怒ってないの?
私は何がなんだかさっぱり分からなかった。