女たらしな我が主
一人で静かにのた打ち回っていると、

「これ、お邪魔をするんじゃないわよ」

お雛様な格好の女のヒトに、見咎められた。

「あら、コレミツさんじゃない。いらっしゃいよ。従者の方用のお食事を用意してるわよ」

あたしはハッとする。

食事。

「この六篠邸のおもてなしは、ちょっとしたものよ。

ただせさえそうなのに、御息所(みやすんどころ)様が、光様に熱をあげられているみたいでね、すごいおもてなしなのよ」

ふんふん。

ここは六ジョウ邸というのか。

あたしに芽生えかけた嫉妬心は、ご馳走を目の前にして、あっさりと消えた。

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