わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「『ほのか』だってー、ふふっ。『ほのか』ならここにいまぁーす。なんちって」

私の腕を持ち上げる素振りをして、そんな風にふざけて喜んでいるナルちゃんは、私がその『ほのか』だなんて夢にも思わないんだろう。



「ナルちゃん、私、急用思い出しちゃった。もうショーも終わったし、行くね?」


「ええー! 冬以先生のダンス見ないのぉ?」


「ごめん、興味ないっ」


早口で吐き捨て、「すみません、通ります」と何度も何度も謝りながら、人混みを掻き分けて半ば強引に進む。



「田所先輩の彼女って、確か『ほのか』じゃなかったっけ?」

舞台上の二年女子の誰かがボソリと言う。


どうせなら聞こえないように呟けよ。てか田所は『田所先輩』で、なんで私は『ほのか』呼ばわり?



でも今はそれどころじゃない。

早々にここを脱出しなくっちゃ、だし。


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