わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「誰? ここに居る?」

「さぁ……。あんま特徴ない子だし、顔もうろ覚えで。ごめん」


などと失礼なやり取りが舞台上では交わされているけど、それだって構っちゃいられない。

いや、ムカつくよ、うん。



不意に腕を掴まれ引き留められた。

振り返るようにして見上げれば、背の高い男子。短い黒髪をワックスで固めてツンツンに立てたコイツは――

――山田。



全く気付かなかった。



どうして寄りによって山田の目の前を通ったんだ、私? もう30センチ進路がずれていたら、歴史は変わっていたのに。

くっそぉ……。



「『ほのか』ってお前のことじゃね?」

平和なキョトン顔で山田は言う。



私のこの深刻っぷりがお前にはわからぬか!


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