わたしとあなたのありのまま ‥3‥
どう答えようか迷っていると、

「……な訳ねぇか」

10秒かからず山田は自己完結。



何故、山田がここに? 君のその昭和顔は明らかにダンスとは無縁でしょう。

そんな疑問は、山田の次の言葉で即、解決する。



「なぁ、セラちゃん見た? チョー可愛くなかった?」

デレデレッと鼻の下を伸ばして、既に眼差しは、私ではなくどこか遠くを見詰めている。


山田の頭の中では今も尚、愛しの彼女、セラちゃんは踊り続けているのだろう。



どうでもええわっ!



「うん、見た。チョー可愛かった。あのさ、私、ちょっと急いでて」


ごめんけど私、全体を見るのにすっかり夢中で、知っている子探したりとかそんな余裕はなかったです。だから嘘を吐きました。



「えっ、そんだけ? もっと何かこう、具体的な感想ねぇの?」

山田は不満げだ。もう、面倒くさい。

正直に、セラちゃんが居ることに気付かなかったって言えば良かったかな。


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