わたしとあなたのありのまま ‥3‥
昼休み。
いつもの様に田所と二人、中庭のベンチに並んで腰掛けて居た。
今日は瀬那くんは居ない。どうやら気を利かせたらしい。
冬以との一日デートのことを話したら、田所は一言、
「知ってる」
と何でもないことのように言った。
知っていたのは予想通りなんだけど、この反応の薄さは予想外。
「……で。当然断んだろ?」
言って田所は、ニッと一瞬だけ笑って見せた。
なるほど。そういうことか、と納得すると同時に、どう答えようかと焦る。
本当に断ってしまえたらどんなにいいか。いや、断ってしまおうか。『田所がダメって言ったもーん』とか何とか、子どもみたいに我儘言い張ったら何とかなりそうじゃない?
都合が悪くなるとだんまりは私の悪い癖だ。と言うか狡い癖。自覚してはいるものの、言葉が見付けられずにやっぱり口籠ってしまう。