わたしとあなたのありのまま ‥3‥
顔を逸らして俯くと、すかさず田所が身を乗り出して私の顔を覗き込んだ。



おずおずと目線だけを上げて目の前の顔を見る。


ああもう、こんな時でも田所の顔って完璧なぐらいにキレイ……。惚れ惚れする。



「ばーか、冗談だわ。いちいち悩むな」

「へっ?」



ゴツッ――


結構な勢いで額と額がくっついた。もはやこれ、恋人同士の甘い行為じゃなくて、頭突きじゃない。



「自分の彼氏の良さ、思い知って来い」

いつもの低い声だけど穏やかな声音で言って、田所はふわり、私から離れて元通りベンチにもたれ掛かった。



田所って、バカのくせに時々難しいことを言う。



隣の田所を見上げてポケッとしていると、「何?」と。涼しげな無表情で問う。



「田所は平気なの? 私が冬以とデートしても」

せっかく田所が『何?』って聞いたから、この際、ちゃんと確認しておこうと思った。


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