わたしとあなたのありのまま ‥3‥
連呼は途中で阻止される。私の口が柔らかいものに塞がれた。


それは優しくゆっくり二回食んで、たったそれだけで私の思考をトロトロにして。


そうした後で名残惜しそうに離れてほんの僅かな隙間を作った。



「おい、ブタ。黙れ」

甘く掠れた声で囁かれるのは、いつもの毒舌命令形。


だけども逆らえるはずもなく。

だって私の思考は、今ので麻痺してしまって、言い返す言葉なんか思い付かないから。


「はい。黙ります」

素直に答えて身を引けば、また虚ろな眼差しでどこか遠くを眺めて「よし」と、またまたかしこまった口調で言って、田所は軽く頷いた。


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