わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「じゃあさ、今のセリフ、あいつに言われたらどう?」

「『あいつ』って、田所のこと?」

「そう。『あいつ』は『あいつ』だよ」


益々苛つきを増した冬以の声音。不思議に思いながらも、さっきの言葉を田所に言われたらって想像してみた。



いつも不機嫌な、でも恐ろしく美麗な田所の顔。それが微かに綻んで……。



『ほのかは笑ってた方がいい。てか、いつも笑ってろ』



きゅるるん。



「やぱっ、キュン死する!」

思わず顔を両手で覆って俯いた。


顔が燃える。焼け焦げる。

想像しただけでドキドキする。きゅるるんが止まらない。



「気持ちいいぐらに惨敗だな」

ポツリ、冬以が小さな呟きを落とした。


恐る恐る顔を上げれば、フッと小さく溜息を吐いて冬以は再び歩き出した。慌ててそれを追い、その隣に並ぶ。



チラリと盗み見た冬以の横顔は、穏やかなのにどこか寂しげで。どうしてだか、私の方が切なくなった。


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