わたしとあなたのありのまま ‥3‥
『なんで?』

どうしたらいいかわからなくて、その問いの意図をわざわざ聞き返した。

そんなの分かり切っているのに。



再び返って来た田所からのメール。



『会いたいから』



その一言に、じわっと視界が滲む。

電話じゃなくてメールで良かったと、心底思った。



『ごめん、今日の夜はお母さんと外食の約束してる』


『帰るの何時ぐらい?』


『わかんない。早く帰れたら電話しよっか?』


『うん、そうして』


『了解』



するつもりなんか更々ない電話の約束をして、メールは終了。


平気で嘘が吐ける自分に、驚いたと同時に激しく凹む。



秘密を抱えると――

――嘘が巧くなる。



私なんか、正直さだけが取り柄なのに。

これじゃあ私、取り柄が何もないじゃん。


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